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理事長のご挨拶

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核物質管理センターは、1972年4月に内閣総理大臣及び通商産業大臣の認可を得て財団法人として設立され、2012年4月1日に公益財団法人となりました。創立以来、核物質の計量管理、核物質防護等の核物質管理に関する調査研究、技術開発及びそれらの成果の普及、並びに核物質管理に関する情報処理業務、保障措置検査等業務及びその他の事業を通じて、原子力の平和利用と原子力産業の健全な発展に貢献するとともに、保障措置に関する技術支援機関(TSO)として、その役割を果たしてきました。

当センターは、1977年に指定情報処理機関、1999年に指定保障措置検査等実施機関として国に指定され、計量管理情報の整理、保障措置検査・分析業務等の実施を通じて、わが国の保障措置体制の中で重要な役割を果たしております。業務は、茨城県の東海保障措置センター、青森県の六ヶ所保障措置センター、東京本部の3か所において約180名の役職員により行われております。

2000年には原子炉等規制法が改正され、国際約束による保障措置検査のうち、定型化され、裁量の余地がない検査については、指定保障措置検査等実施機関が実施できることとなりました。検査は、原子炉等規制法に基づく国内計量管理制度における保障措置検査として、国内の約300か所の原子力関連施設に対して、原子力規制委員会が交付する保障措置検査の実施指示書に基づき実施することとされております。

2020年以降の新型コロナウイルスパンデミック禍における保障措置検査については、原子力規制委員会の対応(計画通り検査を実施するというIAEAの方針を踏まえ、必要な対応を行う)に基づき、感染対策を行いながら全国の保障措置検査を継続実施してきました。本年5月以降は、政府指針等を踏まえ、通常時の検査環境に戻りました。当センターの検査員が実施した保障措置検査は、2022年の1年間で合計1725人・日(移動日を含まない)でした。また、検査において施設から採取した試料は、当センターの分析所(東海及び六ヶ所)において、核燃料物質の濃度・同位体組成比等の分析を実施しており、2022年の1年間に147の試料の分析を行い、その結果を原子力規制委員会に報告しております。

指定情報処理機関としての委託業務については、約2100の国際規制物資使用者等の計量管理報告データを、国際原子力機関(IAEA)等に報告できるように整理し、原子力規制委員会に報告しております。国際約束に基づく国際規制物資の計量管理報告件数は、2022年の1年間で約5000件となっております。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策につきましては、「全役職員及びその家族の健康と安全の確保を最優先とし、可能な限り指定機関業務、技術支援業務等を継続していく」ことを基本方針に掲げ、国や専門機関の情報や産業医の意見を踏まえながら、感染症対策を講じてきました。2023年5月以降、政府の基本方針等を参考に、通常の業務環境に戻りました。引き続き、全役職員及びその家族の健康と安全の確保を最優先に、リスクの低減を図りながら柔軟に対応していきます。 

また、2021年3月に六ヶ所保障措置センター共同分析所(IAEAとの協働施設)の低放射性グローブボックス内で発生した火災及び2023年2月に東海保障措置センターで発生したケーブル火災につきましては、地元及び関係機関のみなさまにご心配をおかけしました。これらの教訓を安全確保の強化等に反映し、安全確保を最優先に業務を継続します。 

当センターは、3つの基本原則 “IDP”;インテグリティ(I)・ダイバーシティ(D)・プロフェッショナリズム(P)、を心に行動してまいります。核物質管理に関する国内外の動向を踏まえつつ、新しい働き方や人材強化プログラムにも力を入れ、時代の変化を取り入れながら業務を効果的・効率的に推進していく所存でございます。  

今後ともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

                                      2023年7月                              
                                      公益財団法人核物質管理センター
                                      理事長  下 村 和 生            

                    
       「険しい岩稜を越えて雲の上に出れば輝く太陽がある」:         「山の麓の街には美しい花が咲いている」:
       モンブラン山域からグランドジョラス山域を望む              シャモニー・モンブランの街角で